原点★陸上に取り組む人生観を変えた一冊(2/2)

原点★陸上に取り組む人生観を変えた一冊(2/2)カテゴリアイコン

2015. 7. 11

「神の肉体 清水宏保」吉井妙子著

私、久保の陸上に取り組む人生観を変えた一冊をご紹介する後編(前編はこちら)です。

 

限界に挑み、極限まで肉体を磨き上げ、結果を出してきた清水さんの言葉は、私の心に深く入り込んできました。

 

今回は、この本より感銘を受けた衝撃的な言葉や文章から、私がどのようなことに陸上を取り組み、どのように変わっていったのかをお伝えしたいと思います。

 


 

迷いが吹っ切れ、陸上に打ち込むきっかけとなった著者の文章

 


 

 

「スポーツ選手と平行して画家や作曲家など芸術家の取材も続けているが、彼らが最終的に表現したいものと、トップアスリートが語る現象の内容は、アプローチこそ違えど行きつく先は同じだと、確信している。

 

ある画家は「感性というものは、自然、あるいは最も身近な自然の一部である身体を徹底的に見つめた末に手に出来るもので、森羅万象の現象を感じるというか、突き抜ける力というのが感性だと思うんです。」と話していた。

 

神は細部に宿る、と言う。
抽象的な表現だか、芸術家とは、誰にでも普遍的であるはずの森羅万象を、一般的には理解不能なところまでキャッチでき、しかもそれを、絵なり、音なり、言葉なりで誰にでも分かるように表現できる人に、神秘性と驚嘆を込めて使われる呼称なのである。」

 

 

走ることが大嫌いで、すぐにでも辞めたいと思っていた当時。
元々絵を描くことやモノを作り出すことが大好きだった私は、芸術の分野に没頭したかった・・・。
しかし、それは自分を嫌なことから遠ざけようとする逃げの道でしかなかったのです。

 

この文章を読んで、自分のするべき道が開けたのです。

 

陸上競技をとことん極めて、限られた者だけしか感じれないであろう感覚を獲得したい。それを自分なりの感性で目に見える形に表現したい。

 

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これを機に、陸上に取り組む意義というのが私の中で確立していくことになります。
私がいつも”ランナーは芸術家である”とお伝えしている原点は、ここにあったのです。

 

この絵は、私の体を意識と細胞が駆け巡っている状態をありのままに表現したものです。

 

 


 

ZONEの世界を得るために

 


 

「筋肉の破壊だけでいうなら、何も無酸素系のトレーニングをしなくたって、強い電気ショックを与えるなどして機械的に出来ないこともないんです。しかし、筋肉だけを破壊し再生させ進化させても、同時に、筋肉を支配する脳も変容されなければ意味がない。いくら筋肉を強化しても脳の限界値が低ければ、筋肉も低いレベルで留まってしまう。辛いトレーニングは脳も変容させるので、能力の限界を押し上げることになるんです。」

 

「心理的限界は肉体的限界のずっと手前で起こっている。人間には生命維持本能があるからだ。

 

火事場のばか力という言葉があるが、これは肉体的限界に心理的限界が限りなく近づいたときに発揮される潜在能力である。いわゆるZONEと言ってもいい。この領域を手にする時には、脳の視床が開いて生命維持本能のブレーキが外れた状態になるといわれているが、清水は意志的なトレーニングによって、ブレーキの外し方を学習しているという見方も出来た。

 

だからこそ、火事場のばか力というか、ZONEの世界を人為的にコントロールできるのである。」

 

 

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ZONEの世界を感じてみたい、そう思いました。

 

そのためには、心理的限界を打破するようなトレーニングに励まなくてはなりません。
そこで取り組んだのが上り坂を使ったトレーニングでした。

この練習、本当にキツイです。
始めたばっかりのころは、体が全くいうことを聞いてくれず、どこをどう使っていいのかもわからずバテるばっかりでした。

 

しかし、繰り返していくうちに体が変わってきたんです。

1番苦しいところ、今までは体が急に動かなくなったところで、1番の出力が出せるようになったのです。

 

おかげで、レースにおいてもラスト200mからの勝負ではあまり負けたことがありませんでした。

周りの選手がゆっくりに見えたことを覚えています。

 

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動物的勘を取り戻し、五感を磨きあげる
 


 

「激しいトレーニングをしていると、なんか動物に近くなるような感覚があるんですよね。
もしかしたら僕のやっているトレーニングというのは、後天的に埋め込まれた価値観を削ぎ落とす作業なのかも知れない。現在の文明や文化というのは本当に人間に必要なものなんですかね。
 
トレーニングをしてだんだん五感が研ぎ澄まされていくと、これは多分、動物の感覚に近くなることなんでしょうけど、そうするとなんか、今の社会には余分なものが沢山あるような感じに思えるんですよね。」
 

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五感を取り戻し、磨き上げよう!
 
ペースを正確に刻んだりする練習だけでなく、時間には拘らず、自分の感覚を頼りにトレーニングをしたりしました。
また、不整地や山などの尾根の自然を積極的に取り入れ、地面から足に伝わる感覚を大事にし、自分の鼓動、呼吸などを感じながら忘れかけていた五感を取り戻していったのです。

 

上の写真は、ファルトレクと言って、スピードを上げたり下げたりして自然の中を自由に走る練習です。

 

 

このように、この「神の肉体 清水宏保」という本からは数々のことを学び、考え方の方向性を示してもらいました。
今読み返しても、清水さんって本当にすごい方だなぁと思ったりします。
このRNDEを通して、本を紹介できたことを嬉しく思います。
 
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