『天国のダイスケと。』[第3回]喜ぶというよりホッ。

『天国のダイスケと。』[第3回]喜ぶというよりホッ。カテゴリアイコン

2015. 10. 21

箱根駅伝予選会が先週土曜日(17日)に開催されました。一般の人達にとっては、いよいよ箱根駅伝シーズンの到来。でも当の選手達にとってはここがひとつの大きな山場。シード権を獲得していない大学にとっては、1年間の全ての取り組みはこの日のために、と言っても過言ではありません。
実際に箱根駅伝出場に向かって日々の練習に取り組む選手達にとって、箱根駅伝とはどんなものなのか、選手達の想いを知ることができれば、箱根駅伝の見方や楽しみ方により厚みが出るのではないか。そんな風に思ったので、実際に箱根駅伝予選会にも本選にも出場経験がある久保に、金曜ジョグスパの後の懇親会時に話を聞いてみることにしました。
当時のチームメイトで若くして亡くなられたダイスケさんの実話を元にして作られたドラマ「天国のダイスケへ」の話を交えながら語ってくれました。
全6回でお届けするシリーズの3回目です。

インタビュー/編集:石田

 

 

<目次>

第1回(10月17日更新)
強豪高校から弱小大学へ

第2回(10月19日更新)
本選出場に5秒足りない!!

第3回(10月21日更新)
喜ぶというよりホッ。

第4回(10月23日更新)
ダイスケから託された襷

第5回(10月25日更新)
通るのは大変です、やっぱり

第6回(10月27日更新)
想いの詰まった手ぶくろ

 

 

 

 

石田
で、いよいよ3年目の予選会を迎えると。

 

 

久保
ええ。でも、僕その時絶不調だったんですよ、予選会の時は。

 

 

石田
なぜ絶不調だったんですか?

 

 

久保
なんかいろんなプレッシャーもあったんじゃないですかね。だけどチームで2番だったんですね。

 

 

石田
記録的に、ということですね。

 

 

久保
はい、(不調ながらも)結果的に2番目に速いタイムで。それでもう、今でも覚えてるんですけど、6位までですよね、本選出場は。でも「5位、なになに大学」って5番目になっても呼ばれないんですよ、拓大が。マジかと。

 

 

石田
順位は、発表されるまで(事前には)わからない?

 

 

久保
わかんないです。で、「6位…」ってなった時に、拓殖大学って呼ばれたんですよ。

 

 

石田
ギリギリ入った。

 

 

久保
もう、ギリギリ入ってたんですよ。だからもうなんか、喜ぶというよりは、もう、ホッとしたという。今でも覚えてますね。喜びじゃないです、もう。やっとか…って感じで。

 

ファイル 2015-10-21 12 21 42

 

久保
で、その年の6位の合計タイムが、前年のトップの(合計)タイムより速かったんですよ。優勝候補が落ちてきたから、一挙にレベルが上がったんですよ。
で、本選はボロボロでした。ボロボロですよね。

 

 

石田
本選では、どの区を走ったんですか?

 

 

久保
4区ですね。強風で、その時は。風速10メートルぐらいありましたかね。大げさかな?(笑)だから前に進まないんですよ。で、チームの力の差がもろに出ちゃってですね。だから箱根でも珍しいんじゃないですかね、(拓大は)3区でもう繰り上げでしたもん、僕らの時って。で、その3区を走ってたのが、このダイスケだったんですよ。で、僕は4区でダイスケから襷を受け取ったんですね。

 

4区

 

 

石田
それは、拓殖大学は初の本選出場?

 

 

久保
19年ぶりでした。

 

 

参加者女性
箱根駅伝に出てる人って、みんなそういう思いをして、予選をクリアした人たちが出てるってことなんですか。

 

 

久保
予選会を突破してきた選手たちは、そうですね。もう、箱根(駅伝)に出るっていうのは、ほんとに、もう、毎日毎日(練習を)やった結果ですから。でも毎日毎日やったからといって出られるわけでもない。やっても落ちますからね。

 

 

石田
基本、箱根に出るのがやっぱり大きな目標?

 

 

久保
ですね。大学としてもそうですし、僕らも出るために来てるし、出ないことにはって思ってました。だからダイスケともいっつも話してましたね、「俺ら何のために来たんだよ」と、その(予選に)落ちた時とか。このまま出れなかったら、何しに(大学に)来たんだよとか、ほんとずっと話してました。
で、3年目、箱根駅伝(本選)はボロボロで。で、4年目迎えるんですけど、4年目は予選会をトップで通過するんですよ。でも、僕、そん時がまたプレッシャーで調子を落としてて。僕キャプテンだったんです。でも、走ってないんです、予選会は。

 

 

石田
3年目は、ちなみに本選は何位だったんです?

 

 

久保
本選、13位ですね。15校中13位。

 

 

石田
で、その時のシード権獲得順位は?

 

 

久保
9位ですね、9位。
で、4年目はもう(4年生で)最後というところで、予選会は出れなかったんですが何とか箱根本選のメンバー選ばれたんですよね。で、僕、アンカーだったんですよ。
でももう、結構うまくいかないことが多くて、陸上が少し嫌いになりかけてたんです、ほんとに。だけど、箱根駅伝は何としても出なければならない、じゃなきゃ何のために来たのかわかんないし。で、ダイスケとも絶対頑張ろうって励まし合ってたんですよね。
で、レース当日はフラフラでしたね、最後。だけど、シード権かかってたんですよ。これ落とすわけにはいかないなんて思いながら、もうあれ、ほんと生き地獄だったですね。沿道の人とかは、頑張れー頑張れーって言ってくれるのは嬉しいんですけど、あの時だけはそれが重荷に感じるほど。。。

 

箱根ゴール

 

石田
シード権獲得が9位までですか。

 

 

久保
はい。で、8位だったんです。9位までだけど8位。

 

 

石田
次のシード権獲得。

 

 

久保
そうですね。だからまあ、よく考えてみると同好会のようなチームが、1年目ボロ負けして、2年目ギリギリで落ちて、3年目に本選出て、4年目にはシード権とって、なんかこう…。
で、この前ようやく、拓大がシード権取ったんですよ。13年ぶりに。。

 

 

石田
今度は13年ぶり。

 

 

久保
はい。僕ら以来のシード権だったんですよね。

 

 

石田
この前っていうのは?

 

 

久保
2011年ですね。

 

 

<つづきます>

 

 

← 前へ                      次へ→

 

 

このコンテンツのトップへ

 

 

71Jl2Lcw3ZL._SX385_

 

 

天国のダイスケへ~箱根駅伝が結んだ絆~

日本テレビ系で、2003年1月に放送されたスペシャルドラマ。2000年度「第5回報知ドキュメント大賞」を受賞した作品『僕、死ぬんですかね』(佐藤忠広著)を原案に、難病にかかり23歳でこの世を去った若きアスリート・佐藤大輔さんの実話を元に作られた作品。
出演:福山雅治、小栗旬、瀬戸朝香、松本莉緒 ほか

戻る